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papermoon ~日本刺繍~

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オリジナルしゃれ紋 ―藻喰茗荷―

オリジナル紋のオーダーをお受けしました。

【オーダー内容】
・茗荷と松藻
・花抱き茗荷紋をベースにアレンジ

茗荷が好きとおっしゃる方からのご注文です。
すでにお持ちの袴に合わせ、
金茶色の紬をお仕立てする際に
オリジナル紋を入れたいとご注文いただきました。

茗荷紋や杏葉紋はとてもベーシックな紋で、
十大紋の一つ、その種類は70種類以上もあるそうです。
今回は、その中の「花抱き茗荷紋」をベースに
松藻を加えてアレンジすることになりました。

花の部分を田字草にするか、花菱にするか、
それともシンプルに丸い花びらにするか。
茗荷を何層にするか、杏葉のように華やかにするか。
松藻の葉には動きを与えず紋章のようにきっちり描くか、
茎の本数を増やして豪華に見せるか。

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いろいろとお話を詰めていく中で
茗荷は茗荷らしく、
松藻は水草らしい動きを表現するために、
紋という形にはとらわれず写実性も取り込んで
柔らかい水の中の流れを感じられるような画に
しようということになりました。

オリジナルの背紋を書くにあたって参考にしたのは、
以前、「つながる。」という記事でも紹介しました
『家紋の話-上絵師が語る紋章の美-』です。
この本によると、紋を描くときの
角度やアイテムはきっちりと決まっているけれども、
その大きさやカーブの取り具合などは、
その紋屋のセンスで変わってくるということでした。
紋というものは、本やさんでもたくさん扱っていますが、
「紋帖」によってしっかり管理されているものと思っていましたので
この本を読んで以来、その紋屋さんの腕というか
甲斐性というか、そういうものにとても興味を持ったのでした。

というわけで、今回は本来の紋らしさから少し離れ、
松藻がモチーフのこともあるので
水の流れを感じるような葉の流れを大切に描いてみました。

そして、完成。
ご注文主さま命名「藻喰茗荷」

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定紋や替紋のようには堅苦しくなく、でも格式をもって
背守のように魔や災厄から逃れるお守りになればいいなぁと思います。
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by papermoon-2005 | 2012-04-15 09:00 | 日本刺繍「着物・帯・半襟」
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