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papermoon ~日本刺繍~

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タピスリ総観

タピスリとは。
「西洋で中世以後、主にフランスのフランドルを中心に発達した綴織の製品、特にその壁掛。(中略)石造の城館の内部にかけて空間を仕切り、隙間風を防ぎ、壁からだを覆って湿気を断ち、暖かさを保つという実用的な機能と同時に重要な室内装飾となる。(中略)8-12世紀の文献には工房の存在を推測させる記録が散見出来る。現存最古の作例は12、3世紀頃のもの」
(板倉寿郎他「原色染織大辞典」淡交社,1977)

さすが、フランス。
たくさんのタビスリを見ることができました。

一番見たかったのは、クリュニー中世美術館の「貴婦人と一角獣」。
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2013年に国立新美術館で見て以来の再会。
照明を落とした部屋にびっしり6面が飾られて、
小学生たちが地べたにすわって解説を聞いています。
なかなかゆっくり見られませんでしたが、
西暦1500年頃に制作された名品。
これを基準に他の美術館、お城で見たタピスリを紹介します。

15世紀タピスリの生産地として有名となったフランドルのもの。
熊が愛くるしい^^
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(ルーブル美術館)

こちらは、シャルル7世(1403-1461の玉座のためのタピスリ。
赤がとても鮮やかで、これが15世紀のものとは!
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(ルーブル美術館)

16世紀になるとミル・フレール(千花文様)と呼ばれる赤地(または青地)に草花と小動物で画面を埋め尽くすようなものが流行ります。(貴婦人と一角獣もこのひとつ)
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(ルーブル美術館)

17世紀になると糸込みが細かくなり、
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(ルーブル美術館)
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こちらは金糸が使われた17世紀の豪華なもの。

18世紀には、色彩は120色にも及び複雑になります。
だんだん画像も奥行きが出て、繊細になっていくのがわかりますね。

また、2月に行ったロワール地方のシャンボール城では、実際に飾られ雰囲気満点のタピスリを見ることができました。
石造りの壁、木材の天井、当時は床には藁が堅く敷き詰められ、そして、壁にはタピスリ。
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こうして他のものと比べてみてみると、16世紀くらいのものかしら?
こんな風にまとめてみると、技術の発展具合もよくわかります。

次にフランスに行くときには、バイユーのタビスリ(多くのタピスリは綴織だが、これは刺繍)を見に行きたいものだ!と願っています。

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by papermoon-2005 | 2017-07-06 19:00 | 日本刺繍「その他」
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