1月にボストン入りして早2か月。
まだ雪が降ったりもしていますが、春らしい雰囲気も見えてきました。
雪柳の芽は大きくなり、日差しが強くなってきました。
こちらの方々はサングラスをかけ始めました。
そして、花粉の気配も(ToT)。
肌荒れがひどく、目の周りがカサカサになり、とうとう病院に行かないとだめ?と思っていたら、鼻もむずむず。「まさか花粉症ありますか?」と職場で聞くと、普通に「あるわよ!」。…がっかりです。今年は花粉症とは無縁でいられると思ったのに。Pine Tree(松)の一種とか。もう、どこへ行っても逃れられないのかも。
さて、今週は研究の話なども。
こちらは、私の私物である江戸時代の袱紗の一部ですが、「紗綾」と呼ばれる生地が使用されています。
桃山時代末期から慶長年間に多く使用され、あっという間に綸子に取って代わられ消えていった生地ですが、慶長小袖などに多く使用されました。よく見ていただくとわかりますが、平織の地に綾織で模様を織り出しています。先週はこの生地が使用された作品をたくさん見せていただきました。ボストン美術館のHPでも「慶長(Keicho) 裂(Fragment)」などと検索するとたくさん出てきます。私の教授の受け売りですが、やはり、実物をどれだけたくさん見られるかが鍵のように思います。物をたくさん見ること、それに対する処置を頭の中に叩き込むこと、それが今の課題です。
今週はProvidenceにあるRISDと呼ばれる美術大学に付属している博物館にも出かけました。
ここには、ファッション、テキスタイルと染織にかかわる学科があり、美術館内にはStudy Centerという素晴らしい施設がありました。毎週、学生の授業に合わせ、展示替えがなされる部屋なのですが、毎週金曜日は学生たちが見たい所蔵品を申請して、自由に手元で見られる日が用意されているのだそうです。この日は、革がテーマ。日本の火消し半纏から、ヨーロッパのオートクチュールまで、さまざまな種類の革と作品が引き出しに飾られていました。先週は羽だったとか。毎週見に行きたくなります。
そして、ハーバード大学のGlass Flowers Museumにも。
こちらは、1900年前後に親子二人のガラス職人によって作られたガラスの植物標本が展示されています。当時、紙かワックスでしか作られていなかった標本が、ガラスで作られることによってより本物に近いものとして利用されるようになったそうです。実際本当に精巧にできていて、とても美しい。そして、展示ケースには、「とてももろいので、ケースには触れないでください」と書いてあります。大きな荷物は持って行かないほうがいいかも(笑)。